世界が注目するツルの渡来地!出水市ツル博物館で人とともに生きる命を学ぶ

世界が注目するツルの渡来地!出水市ツル博物館で人とともに生きる命を学ぶ

 

ツルと言えば鹿児島県の出水市! と言う人はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。私も鹿児島についてリサーチするまで知らなかったのですが、なんでも出水(いずみ)市は世界的にも珍しいツルの越冬地なのです。

鹿児島6泊7日の旅、2日目のメインはこのツル博物館でした。

晴天の下、電車と徒歩でツルの知識を深めてきたので詳しくレポートしていきます!

最寄り駅はおれんじ鉄道「出水」駅

(おれんじ鉄道からの海の景色)

鹿児島中央駅から在来線でツル博物館に向かう場合は、JR鹿児島本線の川内(せんだい)駅を経由する必要があります。

川内駅で降車すると、新幹線乗り換え口へ向かう階段はスルーして直進。するとすぐにおれんじ鉄道の改札が見えてきます。乗り換えに間に合わないと1時間くらい待つことになるのでご注意ください(私は見事に1時間待ちました)

川内駅を出発したあとは、「出水(いずみ)駅」の案内が聞こえてくるまで約1時間景色を眺めましょう。都会の1時間はつらいですが、おれんじ鉄道はしばらく海沿いを走ってくれるので綺麗な海や山が見えます。観光列車のようなアナウンスもしてくれるので、読書をしていても素敵なスポットを見逃すことはありません。

 

(出水駅で迎えてくれるツルたち)

出水駅に到着すると、さっそくツルたちがお出迎え。反対側のホームには等身大くらいのオブジェも設置されていました。ツルの駅、いいなあ……。

出水駅は新幹線が停まる比較的大きな駅なので、出口が西口・東口に分かれています。ツル博物館へは、新幹線乗り場のない西口から向かいましょう。

 

(出水駅~ツル博物館までの田園風景)

ツルが渡来する12月1日~2月末までの冬季は、出水駅から観光周遊バスで博物館までアクセスできます。私がお邪魔した7月は運行していなかった&もともと歩くつもりだったので、出水市の街並みを眺めながら30分くらい歩きました。

前半15分は道路と池沿いを歩いて行くのですが、後半15分はひたすら田園風景が広がっています。雲の影がないくらい晴れていたので、遠くの山まで澄んで見えていますね。汗垂れ流しの暑さでしたが、かなり気持ちいいです。歩くのが苦にならない方は一度徒歩に挑戦してみるのもおすすめ!

 

道路脇のツルが見えてきたらそろそろゴールです。写真左側に少し映り込んでいるのが、ツル博物館の建物。

 

(ツル博物館へと向かう道)

平日&暑い&ツルの渡来時期じゃないというトリプルコンボで、来客は私1人だけ。2時間くらいクレインパークで遊んでいましたが、職員さん以外に人の姿を見ることはありませんでした。冬の休日はもちろん多いのだそう。

世界に誇る出水市ツル博物館

(ツル博物館内の展示)

ツル博物館の入館料は、大人320円。そのほか高大生は210円小中学生は100円となっています。館内全体はそれほど広くありませんが、展示物がツルに特化しているので普段知ることのない分野について学べました。

入館料の320円を支払うと、受付のお姉さんが「ご案内いたしましょうか?」とのこと。こういうサービスは受けて損がありません。もれなく見て回ると45分くらいとのことなので、今回は15分を目安に解説していただくことに。

 

(ツルの卵をイメージした建物)

ツル博物館の建物自体がツルをイメージしていて、三角の形はツルを、窓から見える丸い形はツルの卵を表現しているのだそう。まだ見ぬ我が子を懸命に守る親ヅルの姿すら想像できます。

 

(出水にも多く渡来するナベヅル)

世界には15種類のツルが生息していますが、そのうち出水市に渡来したことがあるのは7種類。約半分のツルが日本へ来たということになります。なかでも毎年多数確認されているのが、ナベヅルマナヅルの2種類。

日本人がイメージしやすい真っ白のツルとは違い、体のほとんどが黒っぽい毛で覆われています。上の写真はナベヅルですが、この名前の由来は「鍋が焦げたときのように黒い」ということから付けられたのだそう。否定はできませんがちょっとかわいそう。

 

(シルエットが美しいマナヅル)

マナヅルもナベヅルと同じく黒い毛が多いですが、胸から尾にかけて黒~白になるグラデーションが綺麗ですよね。また、マナヅルはツルのなかでもとくにシルエットが美しい種類だといわれています。

 

(アフリカに生息するホオカザリヅル)

剥製展示では、世界中に生息する15種類すべてのツルを見ることができます。上の写真は、名前の通り頬に飾りをぶら下げたホホカザリヅル。

ほかにも、動物園や日本昔ばなしでも馴染み深いタンチョウや、現在もっとも絶滅が危ぶまれているアフリカシロヅルの剥製も展示されていました。

 

こちらは、ツル」が含まれることわざをずらりと並べたパネル。日本人とツルが大昔から深く関わっていたことがよくわかります(し、勉強になります)

 

(ツルのエピソード上映スペース)

ツルに関するエピソードを5~10分の映像で上映しているスペース。2本立てになっていて、ひとつは地元中学校のツル渡来数観測について、もうひとつは夫婦ツルの愛情物語です。

お姉さんの解説いわく、出水市の中学校ではツルクラブなるものが設立されており、毎年渡来の時期になると生徒たちが渡来数をカウントするのだとか。真冬の寒い中、子どもが持つ体力と動体視力を駆使して、計測後は大人たちがデータ化して記録に残しているのだそうです。

……と言いつつ、ツルクラブのない中学校や市外の子ども&大人たちは「出水市にツルなんか来るの?」というくらい認知度が低いといいます。出水とツルの関係を私が知らなかったように、鹿児島県民でも知らない人が多いとは驚きです。世界中から専門家や観光客が集う超超有名な渡来地なのに…! とお姉さん。たしかに、それだけすごいところなのにあまり知られていないのは寂しいです。

 

(水辺のトリたちの剥製)

ツル博物館とはいえ、ツル以外のトリたちの剥製も展示してくれています。出水市内で見られるトリの数々。大阪でも見られるものが多いですが、なにしろ田畑や木々が多いので発券率は高そうですね。

 

(マナヅル・ナベヅルの体重比較)

出水に多く渡来するマナヅルとナベヅル。その2種類と自分の体重を比較できる機械です。こうして見るとツルはかなり軽いのだなあ、ということが実感できます。さらに、この隣には実際の重さを体感できるツルの模型が備えられています。片手で持ち上げられるくらいの軽さですが、人によっては意外と重たいと感じるかも。お子様に持たせてあげるととてもいい勉強になりそうです。

 

(ナベヅルの巣)

ここで展示されているナベヅルの巣は本物。実際の巣を採集して、剥製と組み合わせて展示してくれています。

 

 

ツルの1日のお食事量。お米一杯分よりも少ないのではないでしょうか……。

 

(ツルの日常)

渡来地の冬季は、このような風景が普通に見られるのだそう。まさか日本でこんな素敵な光景が毎年見られるとは。

(クレインパークいずみのオリジナル折り鶴)

ツルに少しでも興味がある方は、ぜひお姉さん方にじっくり解説していただきましょう。渡来についてお話してくれたあとは、クレインパークいずみオリジナルのパタパタ羽ばたく折り鶴をプレゼントしてくれました(旅行中、しおりとして大活躍)

もちろん、解説終了後はもう一度好きなところを見て回れます。私はナベヅル・マナヅルについての解説をメインでしていただいたので、その他の展示物についてはパネルの解説を見て回りました。じっくりゆっくり見ると1時間半くらいでしょうか。ツルに関する知識はもちろん、出水市がどれだけすごい地域なのかということがよくわかりました。

無料展望台と企画展

(展望台からの眺め)

ツル博物館で知識を深めたあとは、エレベーターに乗って展望台へ行ってみましょう。四方から出水平野を眺めることができます。

 

(東西南北すべてに設置された双眼鏡)

4台設置された双眼鏡は、すべて無料で覗くことができます。レンズを太陽に向けないように、出水の街を少し拝見させていただきました。上の写真に見える橋は、おそらく出水駅から歩いたときに渡った場所。

瓦屋根の家々や大きな田んぼ、自由に飛びまわるサギ電気屋さん……。いつも見ているようで見ていない、身近なようで貴重な時間でした。

 

(期間限定の企画展「虫の標本展」)

夏休みの期間を含む約2ヶ月間、虫の標本展と題して企画展が開催。入場は無料。鹿児島県立博物館で展示されている昆虫標本がズラッと並べられていました。

 

(本州や離島、世界各国に生息する昆虫の標本)

鹿児島県に生息する昆虫はもちろん、南西諸島で見られる昆虫や海外の巨大な昆虫も展示されていました。真ん中には広いスペースがあって、お子様向けの絵本昆虫図鑑もあって本物を見たくないお母さんお父さんも目をごまかせそうです(そのための備えではなさそうですが)

 

(貴重なクワガタムシの生態展示)

世界から集まった生態の展示もありました。日本でも見られるミヤマクワガタから、聞いたことのない名前のツヤツヤしたタランドゥスツヤクワガタまで。このあと虫探しに行きたくなること間違いなし。

 

(お子さまのワーキングスペース)

企画展が開催されている1階ロビーには、広いスペースを有効活用したワーキングスペースが設置されていました。

 

(1階に設置されている簡易授乳室)

そして驚いたのが上の写真。簡易の授乳室です。週末などの休日は親子の来客が多いのでしょうが、おむつ替えではなく授乳できる場所がある施設ははじめて見ました。簡易ながらカーテンベッドもあるので、小さいお子様を連れての来館も安心です。

 

(1万7,000本以上の草花と木)

クラインパークいずみでは、ツル博物館の前に大きな公園があります。散歩するだけでもよし、お子様と遊具で遊ぶもよし。植えられた植物は1万7,000本にもなり、四季折々の景色を堪能することができます。真夏の季節は、花はもちろん虫の声が延々と響いていました。

 

(公園内の水場に入ってもOK)

公園中央には浅い水場が用意されています。この季節はアメンボやオタマジャクシが泳いでいましたが、気にならないなら足を入れてもOK。かなり浅いので小さいお子様でも遊びやすそうです。

ツルの町、出水市に行こう!

(ツルのいる夜の田んぼ)

鹿児島県北部、新幹線も停まる大きな田舎町出水市。ここが昔からツルと深く深~く関わっていること、それが世界的にも貴重な地域であることを、私たち日本人はあまり知りません。

動物と人間の関係は、もちろん良好であり続けるべきです。まさに共存という言葉がぴったりな出水市民とツルについて、もっともっと知識を深めていきましょう。

駅から徒歩だとけっこう遠いですが、雨でなければ歩いてみるのもおすすめです。そして冬季ならぜひツル観察センター世界に誇る光景を見に行きましょう!

ツル博物館ー基本情報

(こんなところにもツルのマークが…!)

住所:鹿児島県出水市文化町1000番地
電話番号:0996-63-8915

アクセス:おれんじ鉄道もしくは九州新幹線「出水」駅から徒歩約30分
※出水駅からレンタサイクルあり
※12月~2月末まで観光周遊バスあり

開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:4月~10月…毎週月曜日(祝日の時は翌日)/11月~3月…無休
※臨時休館あり

入館料:大人 320円/大学生・高校生 210円/中学生・小学生 100円
ツル観察センターとの共通券(11月~3月):大人 320円/大学生・高校生 250円/中学生・小学生 120円