伊能忠敬が鹿児島県で絶賛!番所鼻自然公園・タツノオトシゴハウスの景色と生き物

伊能忠敬が鹿児島県で絶賛!番所鼻自然公園・タツノオトシゴハウスの景色と生き物

九州南部、海に関する有名観光スポットがたくさんある鹿児島県。そのなかでも、ますます知名度を上げているのが番所鼻自然公園(ばんどころばなしぜんこうえん)です。海はもちろん、山に囲まれたハイキングコースがあり、さらには国内唯一のタツノオトシゴハウスもここで見ることができます。

タツノオトシゴに特化した施設なんて聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。今回私が決行した鹿児島6泊7日旅、その3日目にこちらへお邪魔してきました。

それではさっそく、往復5時間の電車旅で訪れた番所鼻自然公園タツノオトシゴハウスについてレポートしていきます!

最寄り駅は「水成川」駅

(ホームがひとつしかない水成川駅)

鹿児島中央駅から番所鼻自然公園までは、JR指宿枕崎線1本でアクセス可能。ただし、乗車時間は約2時間半とかなり長い電車旅になります。(車のほうが断然早いことは承知しているのですが、私はコレが好きで2時間半かけているのです!)

みるみるうちに人が少なくなる電車に揺られて、水成川(みずなりかわ)駅に到着。無人改札なし構内放送なしの3拍子ですが、意外と私以外にも降車する地元の方が2人いらっしゃいました。

ICOCAなどのICカードでピッとする生活に慣れていると戸惑いますが、このような改札のない駅で降りるときは電車の運転手さんに切符やお金を渡しますICカードは使えないのでご注意ください。

駅ホームでの放送はないものの、電車内では親切にアナウンスしてくれるのでよく聞いておきましょう。無人駅などでは後ろのドアは開きませんので、お早めに前の車両にお越しくださいといった放送をしてくれています。前後、つまり2両編成の電車がほとんどなので、焦らずゆっくり降りる準備をしておきましょう。

海と山に囲まれた番所鼻自然公園

(番所鼻自然公園の入口)

水成川駅から番所鼻自然公園までは、徒歩20分くらいです。電車を降りたら踏切を渡らず、駅を背にするかたちで坂道を下っていきます。

5分と歩かないうちに案内看板が見えてくるので、ひと気は少ないですが迷うことなく目的地を目指せるでしょう。多いなレストランや宿泊施設を通り過ぎると、上の写真のような公園入口が見えます。もうすでに海が見えていますが、快晴だともっと綺麗な景色が見られるはず。この日は曇り時々晴れ/にわか雨で忙しいお天気でした。

 

(公園内のマップ)

自然公園の名称に完全に(いい意味で)騙されていた私。地図に書かれている9個のエリアを制覇しようとすると、3時間は余裕でかかってしまいます。ということで、今回は開聞岳にもっとも近い「海の池(ドラゴンホール)」をメインに散策することに。

竜のおとし子・吉鐘で幸福祈願

(公園内の観光ポイント・ドラゴンホール)

入り口を抜けてほんの少し歩くとすぐに見えてきました、「海の池」。10万年前の火山活動で形成され、全国的にも珍しいといわれる地形です。ドラゴンホールという名前で知られており、竜宮城の入口だったという言い伝えもあります。

 

ドラゴンホールを眺めながら目の端に映るのが「竜のおとし子・吉鐘(きっしょう)」です。番所鼻の海に棲むタツノオトシゴがモチーフになっていることは言うまでもありませんが、昇り竜を連想させる姿から竜のおとし子には5つの吉祥ありと伝えられているのだそう。

上の写真に写っているパネルで詳しく説明されていますが、5つの吉祥を挙げると

1回鳴らせば幸運
2回鳴らせば健康
3回鳴らせば縁結び 夫婦円満
4回鳴らせば子宝
5回鳴らせば安産

となり、さらに心で鳴らせば金運祈願になります。ぜひお願い事をしながら鐘を鳴らして(もしくは心で鳴らして)お祈りしていきましょう。

伊能忠敬が称賛した絶景

江戸時代、日本の海沿いを歩いて精工な地図を完成させた伊能忠敬。そんな偉大な人物が、当時ここを訪れた際に(写真奥に見える)開聞岳や岩礁の景色を見て「けだし天下の絶景なり」と褒め称えたと言われています。

この物語によって、昭和31年に記念碑を建立。当時首相だった鳩山一郎氏が書いた「伊能忠敬先生絶讃の地」の文字は、今でも確認することができます。江戸時代に称賛された景色を現代でも一望できる、数少ない歴史的景勝だと言えるでしょう。

竜宮城の入口・海の池

ドラゴンホールとも言われる海の池からは、グリーンに染まる海を360度見渡すことができます。円状に縁どられた岩場を歩いていると、海の上を歩いているような不思議な気分を味わうことができます。※満潮時や波が高いときは歩けないのでご注意ください。

 

(ドラゴンホールから見える魚たち)

海の池のなかは全体的に浅く、水も澄んでいるので泳ぎまわる魚たちをすぐに見つけられます。ブルーの体を輝かせる綺麗な魚もたくさん泳いでいて、天然水族館のような素敵な光景が広がっていました。

 

(海沿いからは開聞岳が一望できる)

海の池の周りを歩いているとき、顔を上げると常に開聞岳が見えます。この日は少し曇っていたのですが、それでも綺麗に山が映っていますよね。もっと雲の少ない日だとさらに綺麗に見えるのではないでしょうか。

 

(遊歩道からの眺め)

随所に設置されている地図を見ながら歩くと、見どころを見逃すことなく散策することができます。写真は海の池(ドラゴンホール)と開聞岳を一度に写真におさめられるポイント。カメラ台も備えてくれているので、集合写真なども絶好のアングルで撮影できます。

 

(貝がらにお願いごと)

1枚100円でお願いごとが書ける貝がらの絵馬。神社でよく見る光景ですが、たまには一風変わった方法で願掛けしてみるのもいいですね。

岩の見えているところはほとんど歩くことができますが、濡れると滑りやすいので雨の日は注意しましょう。海岸のほうまで行くと、西に向かって湾曲する海岸線が見えるのでおすすめ。太陽の光が当たると緑っぽく輝く瞬間があって、とても綺麗です。フナムシが苦手でなければぜひ行ってみてください。

 

(綺麗に舗装された公園散策道)

公園内の散策道は、写真のように歩きやすくなっている場所もたくさんあります。森を抜けるコース(下の写真)はあえて舗装していないという印象ですが、上のような道では途中にベンチが設置されているので休憩も取りやすいですね。

(森のコース)

森のトンネルを抜けるように歩く森のコース。木漏れ日という言葉がかえって使いづらいくらい木々が密集していて、真夏の暑い季節でも涼しい時間を過ごすことができました。一見迷子になりそうな道ですが、看板を立ててくれているので脇道に逸れない限りはすぐに帰ってこれます。

 

(森になじみすぎる遊具)

森の中に何かぶら下がっているなあ、と思って見てみると、ロープと木で作られたブランコでした。あまりにも景観に馴染んでいて写真でも見つけにくいですが、小さいお子さまがちょっと遊ぶのにはもってこいのポイントではないでしょうか。ターザンごっことかしたらめちゃくちゃ楽しそうです。

 

散策コースには海のコース森のコースがありますが、どちらを選んでも2キロ以上先の釜蓋(かまふた)まで歩くことができます。今回は時間の都合で行けなかったのですが、きっと道中の景色も素晴らしいのでぜひ挑戦してみてください!

 

(水平線と船)

見るからに怪しい天気ですが、遠くの船や水平線もしっかり目視で確認できました。これを見て地球が丸いと考えた人は偉大です。

 

暗くなるとぜったい怖くて歩けませんが、日中はこんな道を散策するのも楽しいです。とくに夏季は生き物がたくさんいて、セミの鳴き声はもちろん少し木の幹を見上げるとあちこちにセミの抜け殻が引っ付いていました。

 

戻って来れなさそうな森の中。しかし、けっこうむやみに歩いても短時間で元の場所へ戻ってこれます(むやみに歩かないでください)。当然意味もなく道を作っているわけではないので、場所を確認しながら自由に散策してみるのもおすすめです。※樹海のような深い森ではありません。

タツノオトシゴハウスには本物の剥製も

(タツノオトシゴハウス入口)

さて、当初はこちらが本当の目的だったのですが、公園があまりにも大きい&景色が綺麗なのでオマケみたいになってしまいました。番所鼻自然公園内に建てられているタツノオトシゴハウスです!

見た目は普通の一軒家ですが、このあたりにはほかに同じような家がないので迷わずに見つけられます。解放時間は10:00から16:30まで月曜日は定休日なのでご注意ください。

公式ページはこちら。

 

(ニモでお馴染みのカクレクマノミ)

タツノオトシゴのまえに、まずはカクレクマノミの水槽をのぞき見。想像以上の密度に驚きましたが、水槽は大きいのに終始こんな感じで集団行動していました。

おそらく写真には写っていないですが、白くて丸い模様を持ったクマノミが1匹だけいるのだそう。これを見つけたらすべてが丸くおさまるかも! ということで、行った方はぜひ探してみてください。私は残念ながら見つけられませんでした……。

 

(鹿児島の海でも見られるタツノオトシゴ)

そしてついに、番所鼻の海にも生息するタツノオトシゴのご登場。2匹で仲良く水槽内をグルグル泳いでいました。一生懸命ピロピロ動くヒレが可愛いです。それにしても不思議な生き物だなあ。中学生ぐらいまでだと思っていた私の気持ちも分かってもらえるような気がします。

 

(海を眺めながらティータイムもOK)

窓際にはカフェスペースが設けられています。なにしろ天気が悪いのでどんよりした雰囲気になってしまいましたが、晴れの日に海や開聞岳を眺めながら飲むコーヒーはとっても美味しそう。お土産といっしょにドリンクも店内で注文できます。

 

(タツノオトシゴのはく製)

店内数ヶ所でタツノオトシゴの生態が展示されていて、なかでもぜひ体験していただきたいのが本物のはく製。タツノオトシゴは体の外側が骨でできているので、はく製にするとカチカチになります。石よりは頼りないですが、魚のイメージとは大きくかけ離れた感触。実際に触って体感する機会もなかなかないと思うので、ぜひそっと手に取ってみてください。

 

(みんな大好きナマコさん)

こちらもタツノオトシゴ同様、番所鼻の海に生息しているナマコ。意思の有無すら分からない見た目で嫌う人も多い生き物ですが、触ると白い粘液を出すところを見るとやっぱり意思はあるのでしょう。小さいと可愛らしいのですが、多きすぎると持ったときにベローンとなるのでびっくりして落とさないように気をつけましょう(笑)。

鹿児島の海・山・生き物を堪能しよう

(「海の池」周辺からのパノラマ)

これからもっと知名度が上がりそうな(上がってほしい)番所鼻自然公園タツノオトシゴハウス。最寄りの水成川駅は小さくて寂しいですが、私にとってはそんな無人駅も立派な観光ポイントです。

公園周辺には飲食店もあるので、暇を持て余すようなことはありません。岩場でのケガなどにはじゅうぶん気を付けながら、江戸時代から続く絶景を眺めにいきましょう!

タツノオトシゴハウスー基本情報

住所:鹿児島県南九州市頴娃町別府5202
電話番号:0993-38-1883
アクセス:JR指宿枕崎線「水成川」駅から徒歩約20分
入館料:無料
営業時間:10:00~16:30
定休日:月曜日(祝・正月・お盆は営業